JR泊駅からの道を右折してほどなく、町道泊桜町線に出る。そこから東に見えるのが、
この道をさらに南下し、北陸自動車道の下を通過するといきなり視界がひらける。黒部の谷を隔てて屹立する駒ヶ岳・僧ヶ岳等が眼前に展開する。中でも駒ヶ岳はさっそうとしていて、劒岳北方稜線の
進むにつれて前山が後退し、後立山の峰々が順次美麗な姿をあらわにする。清水岳、旭岳、白馬岳、朝日岳というオーダーである。白馬岳は朝日町の最高峰で「しろうま」と読むが、信州側からの命名で、その東面に現れる「
小川橋にさしかかる。ここからの朝日岳は、凄烈な小川の流れと相まって、ことさら秀麗である。夕焼けに輝くころは荘厳でさえある。この山の古称は
柳田で舟見・宇奈月への道をわける。縄文時代の住居跡では我が国最大級といわれる
左に折れ、朝日岳を正面に仰ぎながら進む。殿町の辺りからは、駒ヶ岳の雪形を指呼の間に望む。残雪期、北駒ピークの尾沼谷側に、馬と鼻取りが姿を現す。これには、その昔、1日で代かきが終わりそうにないので、罰あたりにも夕陽を呼び戻そうとしたところ、馬と鼻取りが駒ヶ岳へ、いぶり差しが恵振山へ飛ばされたという
道はこの先、小川左岸にへばり付くようにひらかれている。途中、眼下に満々と水をたたえたダム湖を俯瞰する。県営朝日小川ダムである。ここから右岸へ注ぐのが、
泊駅から行程およそ12キロ、時間にして20~30分(車利用)で山峡の小川温泉元湯に着く。泉質は、無色透明の弱塩泉で68度を保ち、胃腸病、婦人病、冷えからくる諸病に効くといわれている。また、子宝が授かる湯としても名高い。この温泉の発見は古く、元和年間とも寛永年間ともいわれるが、定説はない。