聖観音菩薩立像

更新日:2023年03月31日

聖観音菩薩立像

町 彫刻 昭和41年5月25日指定

朝日町泊262(松林寺)

(写真)聖観音菩薩立像の画像

観音は弥陀の脇侍ではあるが、独尊として造顕されることも多い。形式からして聖観音は、いわば観音の基本形である。

松林寺の聖観音は、像高38.5センチメートルの開扉仏である。

木造の一木彫成で、枯淡ながら繊巧に流れず、尊厳さの効果を表現している。尊容は宝髻(ほうけい)高く、円満で温和な面相に、両臂(りょうひ)後補で、原形の印相不明だが、胸前に屈臂(くっぴ)した右手は掌を前に向け、第1・2指を捻じ、左手に未敷(みぶ)の蓮華を持っている。

天衣(てんね)が本体裏側より僅かに見られ、下裳(したも)の衣文(えもん)は陰刻で表現しているのが珍しい。光背は舟形で群雲を彫り、金箔仕上げの後補である。室町初期頃の作と推定される。

松林寺所蔵の古文書によれば、この聖観音は、但馬国(たじま)の戦国大名山名家の守護仏であったが、落城の際重臣岡備後の討ち死に伴い、嫡孫岡彦兵衛が護持していたが、寛文三年(1663)松林寺創建の際、秘仏として安置されたとのことである。

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