千手観音坐像(清水寺式)

更新日:2023年03月31日

千手観音坐像(清水寺式)

町 彫刻 昭和41年5月25日指定

朝日町南保4740の1(清水寺)

千住観音座像の画像

千手観音は、正称を 千手千眼観世音菩薩 ((せんじゅせんげんかんぜおんぼさつ))という。

この 清水寺 ((せいすいじ))本尊は、座高54,5センチの開扉仏である。

頂上仏面は紛失しているが、天冠台の上には頭上面九面を抱き、温容で量感豊かな面相に、八 臂 ((ぴ))の形容は、頂手を頭上に 掌 ((たなごころ))を上にして組んでいる。これは京都清水寺の本尊と同様で、この様式は清水寺式と言われている。

正面手合掌、下方手掌を仰いで重ね、脇手はおのおのの持ち物を持っている。本体は栗色で彩り、後背は群雲掘りの金箔仕上げの後補で、総体の姿は流暢にしてすこぶる優雅である。

技法は頭部 柄差 ((ほぞざし))で、体部四面縦割り 矧 ((は))ぎで 内刳 ((うちぐ))りされ、桜材の寄木造りで彫成されている。わき部は別材で後世の補作である。

清水寺は大同年間(806~810)の創建と言われ、自伝によればこの本尊は、永禄天正年間(1573~1592)上杉勢の侵攻兵乱の際、密かに山中に埋蔵したものを、明日(あけび)千光院第七世秀証上人が慶長六年(1601)霊夢を感じて土中より発掘し、清水寺に再び安置されたと伝えられている。

制作年代は構造・技法などからみて、藤原末期頃と推定される。

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