笹川村古図

更新日:2023年03月31日

笹川村古図

町 古文書 昭和41年5月25日指定

朝日町笹川1002(竹内益裕)

(写真)笹川村古図の画像

貞享5年(1688)境関所八代目奉行加藤治兵衛が、村役人長井宗三郎らに制作させた絵図の控えで朝日町最古のものである。

笹川は城山の南麓にあって、四周山が巡る中を笹川が貫流する渓谷の村である。開村は鎌倉時代で、城山の戦塵を浴びつつ歴史を刻み遺跡も多い。藩政時代には、寛文10年(1670)に定められた村御印で、草高430石、木呂役141匁を納める山村となっていた。

中世行は篠川(ささがわ)村と記していたが、この絵図の頃は笹川村と改め、川の名前を篠川と書いている。

絵図は、半紙四枚を張り合わせた横54センチ、縦73センチで南側を上に、旋回俯瞰(ふかん)図の筆法で古城跡・ヘッツルの断崖・村の入り口・岩山・神社の巨木・村の中・隣村に通ずる道路等を克明に記入し、特に深山は色濃く雲を棚引かせた、荘厳幽玄な画筆である。

山の峰・谷の名・支流や本流の蛇行は現在とほぼ同様で、海に立つ波間に帆船を描き、波頭を文様化する等興味深い。当時将軍吉宗は各国絵図を提出させてはいるが、この絵図も土地情報伝達手段として作られ、自然の姿と人間の営みを平面的によく表現しており、郷土史研究の一等資料というべきだろう。

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