耳挽薬師如来座像

更新日:2023年03月31日

耳挽薬師如来座像

町 彫刻 昭和41年5月25日指定

朝日町大家庄913(天香寺)

(写真)耳挽薬師如来座像の画像

天香寺 ((てんきょうじ))過去帳に、耳挽の尊称は見えるものの、その意味については、まださだかでないが、その薬師像は座高4.5センチメートルの木彫小座像の開扉仏である。仏体には金箔か截金(きりがね)が施されてあった残跡があり、相好は眉目温容にして、右手は 施無畏 ((せむい))印、左手に薬壺を持つ。

光背は金色の薄板金に群雲文を打出して、中心の頭光部は透し彫りをしている。台座の蓮弁には 緑青 ((ろくしょう))彩が施されている。

本体は小仏ながら、緻密な刀痕表技に優れ、幽雅で 荘厳 ((しょうごん))な味わいを感じさせる芸術仏である。

天香寺は公安元年(1278)の開創で、地方希に見る古刹であり、もと大家庄門前地にあったが、兵乱で焼失し、享禄年間(1528~1532)現在の地に再建されたものである。

縁起によればこの座像はその昔、井口城主井口蔵人が守護仏として奉持したものを、天文12年(1543)上杉勢との兵乱に落城した後、天香寺へ納められ、安置したものである。

創作年代は、鎌倉仏の風格を備えた室町中期頃の作と推定される。

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