布…柄・質・素材・用途、さらには作られた国や時代すら違うであろう1枚1枚の個性。
今回ご紹介梅原麦子氏は、最初、墨でスケッチを行い、それを基に独自の技法を
用いて、布で色彩を、絵に感情を貼り付ける。
人肌の質感、花の特色・透明感、風景の立体感・季節感。
そして、今も昔も変らない子供たちの笑顔。
空に浮かぶ花からは、糸のほつれさえ自然の風景に溶け込む不思議な魅力となっ
て、私たちに受け入れられる。彼女の手によって、布が空になり、花になり、風となっ
て馴染み合い、1枚の作品が完成するのだ。
現実と空想の狭間で揺れ動く不思議な景色。でも、その情景は観る者の心が懐かし
む風景であり、虚実ではないのだ。
彼女にとって布は1色の絵の具であり、己の表現力を最大限に引き出してくれる最良
のパートナーなのだ。
今回、ふるさと美術館では、梅原氏が創り出した独創性溢れる風景・人物・静物画な
どの布絵約90点を展示いたします。
油絵とはひと違う不思議な色合いを、心行くまでご堪能ください。 |