日本では現在、ファイザー社、武田/モデルナ社、及びアストラゼネガ社(※1)のワクチンが薬事承認されており、予防接種法における接種の対象となっています。
いずれのワクチンも、薬事承認前に、海外で発症予防効果を確認するために臨床試験が実施されており、ファイザー社のワクチンでは約95%、武田/モデルナ社のワクチンでは約94%の発症予防効果が確認されています。また、アストラゼネガ社のワクチンは、海外で実施された複数の臨床試験の併合解析の結果から、約70%等の発症予防効果が確認されています。(※2)
また、いずれのワクチンも、90%以上の重症化予防効果を示す報告等があります。
効果の持続期間については、ファイザー社と武田/モデルナ社のワクチンの1・2回目接種の効果を約半年間比較した観察研究では、武田/モデルナ社のワクチンの方が、感染予防、発症予防、重症化予防の効果が有意に高かったと報告されています。
発症予防効果 | ファイザー社 | 武田/モデルナ社 |
接種後 2~4か月時点 |
90.1% | 94.0% |
接種後 4~6か月時点 | 83.7% | 92.4% |
(※1) アストラゼネガ社のワクチンは原則40歳以上の方(ただし、他の新型コロナワクチンに含まれる成分に対してアレルギーがあり接種できない等、特に必要がある場合は18歳以上の方)を対象としています。
(※2) インフルエンザワクチンの発症予防効果は約40~60%と言われています。
多くの方に接種を受けていただくことにより、重症者や死亡者を減らし、医療機関の負担を減らすことが期待されています。
現在、日本で接種が進められている新型コロナワクチンでは、接種後に注射した部分の痛み、疲労、頭痛、発熱等がみられることがあります。こうした症状の大部分は、接種後数日以内に回復します。また、稀な頻度でアナフィラキシーが発生したことが報告されています。
発現割合 | 症状 | |
コミナティ(ファイザー社) | モデルナ(武田薬品) | |
50%以上 | 接種部位の痛み、疲労、頭痛 |
接種部位の痛み、疲労、 頭痛、筋肉痛 |
10~50% |
筋肉痛、悪寒、関節痛、下痢、 発熱、接種部位の腫れ |
関節痛、悪寒、吐き気、嘔吐、 リンパ節症、発熱、 接種部位の腫れ、発赤・紅斑 |
1~10% | 吐き気、嘔吐 |
接種後7日以降の接種部位の 痛みや腫れ、紅斑 |
ワクチンによる発熱か、新型コロナウイルス感染かを見分ける場合には、発熱以外に、最近、咳や咽頭痛、鼻水、味覚・嗅覚の消失、息切れ等の症状が始まっていないかどうかが、手がかりとなります。
ワクチンを受けた後、2日以上発熱が続く場合や、症状が重い場合、ワクチンでは起こりにくい上記の症状がみられる場合には、医療機関等への受診や相談をご検討ください。
新型コロナワクチンの接種は、皆様に受けていただくようお勧めしていますが、接種を受けることは強制ではありません。
情報提供を行ったうえで、接種を受ける方の同意がある場合に限り接種が行われます。
ワクチン接種を受ける方には、ワクチンの効果と副反応のリスクについて理解した上で、ご自身の意思で接種を受けていただきます。受ける方の同意がなく、接種が行われることはありません。
ワクチン接種を受ける時には、ワクチンについて正しく知り、納得したうえで受けましょう。