朝日町出身の書家で 「大平山濤」という名前を知らない者はいないであろう。金子鷗亭と共に「近代詩文書」の発展に尽力し「書」という分野を「絵画」や「彫刻」と同等の芸術の分野に認めさせ、国から文化功労者顕彰を授与され、朝日町の名誉町民第一号となったその人である。
その大平山濤の出身地朝日町では、彼の影響から「書」の道を志す者が自然と多いのも特徴であり、文化の一端を担っているともいえるであろう。
今回ふるさと美術館では、その大平氏に幼少時から師事し、実力を付け、現在に至る大菅如山氏をご紹介する。
大菅氏は、日展をはじめ、毎日書道展、創玄書道展、富山県展などあらゆる書道展において入選・受賞、そして、役員を務めるなど多忙な日々を送る中、自宅において如山書院を主宰、また、県立泊高等学校において書道の非常勤講師を務めるなど、若者の書道教育にも力を注いでいる。
その作風は、男性らしく力強い筆致の中に、自作の詩を多用、墨独特の滲みや暈かしが生み出す妙を美しく取り入れて、猛々しさの中にも淡く繊細な心情表現を見事に創り上げている。
今展は、個展という事もあり、展示作品は自身の代表作と新作で挑む。
未発表の新作と共に自身の新しい道を切り拓く、気迫溢れる大菅氏の初個展に、皆様どうぞご期待ください。 |
種田山頭火の句 199711.jpg)
「月から」種田山頭火の句 1997年 大菅如山 |